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教室指導方針


宝物とは

 

「合格の神様」が祀られていると言われる神社があります。そこのお守りを買えば『ご利益=合格』が手に入る……、わけがないですね。お守りを買ったからと言って合格を得られるほど受験は甘いものではありません。もちろんそうした考えや行為そのものを否定するわけではありません。ですが自分にとって心からお守りになるものは何だろうと考えたとき、それまでの過程そのものであったり、過程での取り組みが形として残っているものであったりするのではないかと思います。
 
 例えば1冊の問題集。
 受験当日までに何度も何度も解き直し、大事なページや内容にはたくさんの付箋やアンダーライン、赤線やらが引かれている。いつもカバンの中に入れて持ち歩いていたので表紙はボロボロ、かなり汚れも目立つ。この問題集はおそらく入試当日、持ち主にとって他に代え難い「お守り」に感じられると思います。
 
 例えばレゴで作った車。
 パッケージに同封されている見本通りに作ったら10分ほどで完成。この車にあまり価値を感じることはできません。
 こんな車はどうでしょう。設計、パーツ選びから製作までオリジナル、一見色使いも単調で形もそれほど際立つものではありません。しかし、完成に至るまでにタイヤが何度も外れて付け直したり、ものを載せる部分は実際に何かを載せると壊れてしまった。強度を上げるために一度全てを解体し最初からブロックを組み直した。他にも細かい箇所で数えきれないほどの試行錯誤の末、出来上がった車。
 完成度では、パッケージ化されたものに見劣りするかもしれません。でも、作り上げた充実感は他の誰よりも何よりも作った本人が感じることができます。
 
 例えば手帳。
 日記として一年の記録がびっしりと書き込まれている。月毎の目標が記入されていて途中での進捗状況がわかる。目標が達成できていない時には分析と反省の言葉が残っている。手帳の使い方は様々だと思いますが、書き込めば書き込むほど書き込んだ本人にとってかけがえのないものとなります。

 現在の世の中では価値を決める基準の多くは、お金にあります。お金がたくさんかかるものに価値があって、そうでないものは価値がないと思われがちです。または数値的に希少なものに価値があるとなるのでしょうか。ですが、価値には自分で決められるという側面もあると思います。心を込めて向きあったもの、日々時間を共にしたもの、こだわりを持ち続けたもの、そうしたものこそが自分にとってかけがえのない価値あるものになるとも言えるのです。

 “宝物、高級品に囲まれた生活”誰しもが憧れる(!?)夢の世界。
 本当はそうではなく、宝物は既に日々の生活の中にたくさん存在していて、宝物を多く創りだす方法は心を込めて物事に取り組むこと。それに尽きると思います。